北川流域の放流コイについて
北川など、身近な川で目にする(放流された)コイが、実は地域固有の生態系を脅かしているのをご存知でしょうか。昔から日本人に愛着のある魚として放流されていますが、ブラックバスなど外来魚と同様、地域にもともとすんでいる生き物(北川流域ではモツゴやトウヨシノボリ、オイカワ、ウキゴリなど)を駆逐する恐れがあります。昨年11月、北川の源流にある狭山公園「たっちゃん池」の掻い掘り(池干し)を実施しましたが、捕獲した魚の多くはオオクチバスと巨大なコイなどで、モツゴやトウヨシノボリは僅かな数しか確認することができないような状況でした。
コイは雑食で、他の魚や貝、水草も食べ、体が大きく天敵が少ない上、汚れた水に強いため、国際自然保護連合(IUCN)が生態系に影響が大きい外来生物を定めた「世界の外来侵入種ワースト100」にも選ばれています。 →世界の外来侵入種ワースト100(ウィキペディア)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E4%BE%B5%E7%95%A5%E7%9A%84%E5%A4%96%E6%9D%A5%E7%A8%AE%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88100
コイは過去二千年にわたり日本人に親しまれ、我々の生活と文化に深くかかわってきました。しかし、研究者によると、この間、改良種と野生種の交雑がおこってきたと思われます。一説によると、日本在来の野ゴイは、琵琶湖北部などの一部の地域でしか確認されていないとのことです。
放流ゴイの生態系への影響ですが、池などにコイが大量に導入されると、底泥の撹乱や多量の排泄物によって水が濁り、透明度の高い水を好む魚類や沈水植物の生育に悪影響を及ぼすと考えられ、さらに栄養塩類の増加に伴ってアオコなどの植物プランクトンが発生しやすくなることがわかっています。
北川かっぱの会では、地域本来の生物多様性を維持していくことの重要性と、コイが導入された経緯や生態系への影響を考慮すれば、コイは駆除対象となって然るべきであると考えます。日本庭園など観賞用として管理されている水域ではコイが生息していてももちろんかまわないと考えます。しかし、在来生物を保全していこうとする池や川では、オオクチバス同様、放流ゴイの駆除を進める必要があると考えます。(6月26日)
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