日記・コラム・つぶやき

「掻い掘り」までの経緯

 11月7日(日)に「掻い掘り(池干し)」を予定していますが、これに至るまでの経緯について、以下にまとめます。

2005年8月 北川魚類調査で、多数のブラックバスを確認(詳細については、「北川かっぱの会」ホームページで「トップページ」→「調査結果」→「魚類調査」参照)

2006年8月 同上

2006年9月 「川端会議」で上記の調査結果を報告するとともに、対応策について検討 →「「たっちゃん池」の流出口に網を設置してみてはどうか」ということで、狭山公園パークセンターに相談。

2006年11月 「たっちゃん池」の流出口に網を設置(狭山公園パークセンター)

2007年8月 上記の網の効果もあってか、北川魚類調査で、ブラックバスが激減したことを確認(詳細については、「北川かっぱの会」ホームページで「トップページ」→「調査結果」→「魚類調査」参照)

2008年春  大雨によるブラックバスのオーバーフローを防止するため、「たっちゃん池」の流出口に流出防止ネット(トラップ)を設置 →合計10000匹以上のオオクチバスの稚魚を捕獲し、効果の検証を行うことができた(狭山公園パークセンター)

2008年11月 狭山公園パークセンター+北川かっぱの会で「第1回意見交換会」を開催 →流出防止ネットの設置や防除について確認

2009年1月 第4回外来魚情報交換会(滋賀県彦根市、琵琶湖を戻す会主催)に参加、情報収集。

2009年3月 生態工房(ノーバスネット関係)を訪問、ブラックバス対策について相談。 

2009年5月 狭山公園パークセンター+北川かっぱの会で「第2回意見交換会」を開催 →「たっちゃん池」のブラックバス防除計画について、魚類調査を実施していくこと等について意見交換。

2009年8月 第1回「たっちゃん池」魚類調査(狭山公園パークセンター+北川かっぱの会) →池が満水の状態で調査(投網、手網等) ;調査結果については、「北川かっぱの会」ホームページで「トップページ」→「調査結果」→「魚類調査(特設)」参照

2009年11月 第2回「たっちゃん池」魚類調査(狭山公園パークセンター+北川かっぱの会) →池の水位を満水時より約60㎝下げて実施(投網、手網、地びき網等) ;調査結果については、「北川かっぱの会」ホームページで「トップページ」→「調査結果」→「魚類調査(特設)」、および4/17付け「かっぱブログ」を参照

2010年1月 第5回外来魚情報交換会(滋賀県彦根市、琵琶湖を戻す会主催)に狭山公園パークセンターとともに参加、情報収集。 

2010年3月  「ブラックバス防除セミナー」を開催(北川かっぱの会主催;開催状況については、3月6日付け「かっぱブログ」参照)

2010年3月 北山公園「しょうちゃん池」掻い掘り(池干し)を開催(東村山市主催のものを北川かっぱの会として全面的に支援;開催状況については、3月20日付け「かっぱブログ」等を参照)

2010年4~6月 人工産卵床による捕獲と調査(狭山パークセンター)

2010年9月 バストラップによる捕獲と調査(狭山パークセンター)

2010年11月 掻い掘り(魚類調査、清掃)本番予定

なお、本番実施後、継続した調査や捕獲を実施予定。以上、ここまで5年を費やしている状況です(10月27日) 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

オオクチバスの駆除と掻い掘りの必要性

 11月7日(日)に掻い掘り(魚類調査、池の清掃)を予定していますが、なぜ掻い掘りを行なう必要があるのか、以下にまとめてみました。

 まず、オオクチバス等の特定外来種をなぜ駆除していく必要があるのでしょうか

 北川や北山公園では、2005年以降、多数のオオクチバスが確認されましたが、その原因は、狭山公園「たっちゃん池」で大繁殖していたオオクチバスであることがわかりました。昨年の8月と11月に実施した2回の「たっちゃん池」魚類調査や同池の流出口でのトラップによる捕獲状況から、「たっちゃん池」ではオオクチバスが大繁殖していることが判明しています。オオクチバスは、モツゴやギンブナ、トウヨシノボリ、オイカワといった在来種を食い尽くします。「たっちゃん池」では、オオクチバスがこれらの在来種を食い尽くしつつあり、死の池になりつつあります。

 よく言われる意見として、「オオクチバス等の特定外来生物を無理に排除しなくても、いずれ共存する」とか、「しょせん人間には、水の中の生態系なんか管理できない」といったものがあります。しかし、北米原産の外来魚と在来種が平和的に共存することは、ありえません。在来種を極限まで減らして、生き続けている例はあります(現在の「たっちゃん池」がほぼこれに該当すると思われる)。が、魚類研究者の方々が強調するのは、「その過程で取り返しのつかない生態系の破壊が起きる可能性が高い」ということです。環境に対して壊滅的な影響をもたらす可能性のある魚を放置して、さらなる環境破壊が起きる可能性を黙視してはいけない、と考えます。

 オオクチバスなどのブラックバス類とブルーギルなどの外来魚は、外来生物法で輸入や飼育ばかりか、持ち運びにも規制のかかる「特定外来生物」に指定されています。池で捕獲し、生体を手に道路を一本渡っただけで、外来生物法違反に当たります。それは、日本が国として「ブラックバス類やブルーギルを減らしていこう」という方向性を決定したことを意味しています。

 さて、次は「掻い掘り(池干し)」という方法を選択する理由です。外来魚を減らしていく方法にはいくつかあります。網類(地びき網、さし網など)で捕獲する、人工産卵床で捕獲する、池干しする、電気ショッカーで捕獲する、餌釣りするなど、様々な方法がありますが、この中で最も効果的なのが「池干し」であると言われています。「池干し」が可能な池や湖であるのならば、まず池干しを検討していくのが基本です。東京都内でも都立光が丘公園内のバードサンクチュアリでは「池干し」3回の実績があると聞いております。

 今回の「掻い掘り(池干し)」を実施していくにあたっては、この3月に、光が丘公園の実例についてお話をお伺いしたり、北山公園「しょうちゃん池」での掻い掘りを実践する機会をもつことができました。今後、さらに綿密な計画について情報共有化することにより、確実、かつ安全で効果的な「掻い掘り(池干し)」を実施していくことが可能と考えています。本日、たっちゃん池の水位は満水時から1m程度下がったものとなっております。11月7日当日まで、いよいよ秒読みの段階となってきております。(10月24日)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

昔のたっちゃん池の様子を教えてください

狭山公園内のたっちゃん池の魚類調査・水質調査結果の概要については、8月30日付けの「かっぱブログ」でお伝えしました。

概要→ ①池はブラックバスにほぼ占領されている。おまけにワニガメまで放流されていた。②在来種の個体数はかなり減少している。③水質(COD濃度)については6ppmとあまりよくないし、護岸を歩くと悪臭を感じる。

「たっちゃん池」は死に瀕していると思われるような結果でした。「たっちゃん池」が、子供の頃遊んだ元の自然豊かな様子に戻ってくれることを切に願いたいと思います。そして、「たっちゃん池」を源流としている北川にもよい影響が出てくることを祈りたいと思います

昭和30年前後の「たっちゃん池」の様子ですが、何人かに聞いたところ、「池で泳いだ」とか「クチボソ(モツゴ)釣りをよくやった」などの声を聞くことができました。また、「多摩湖から埋設管を通して水の流入があった」とか、池の底に水栓があって北川に水を流すことができるようになっていた」という声も聞かれました(真偽のほどはもう少し調査の必要があるかもしれませんが)。私が「たっちゃん池」で遊んだのは昭和40年前後ですが、クチボソ釣りをした記憶がありますし、外人(米国軍の軍人)が池で泳いでいた光景を思い出します。

私としては、泳ぐことのできる「たっちゃん池」の復元は少し極端としても、「クチボソやフナが棲むたっちゃん池」に復元させていくことが重要ではないかと考えます。「明日のたっちゃん池」の姿を見定めるために、皆様の幼児体験や少年少女の頃の体験をぜひお寄せください

| | コメント (0) | トラックバック (0)