北川の落差工を解消していく意義などについて
北川かっぱの会では、、「アユが遡上する北川」を目標に、北川の落差工(小さなダム)解消プロジェクトをスタートし、去る1月9日(祝)に、北山公園善行橋下にある魚道の下流側にある5箇所の落差工について調査を実施しました(写真上2枚;北出さん撮影)。北川かっぱの会では、1998年に北川の原風景を取り戻したいという想いを「未来の川へ・北川復元プラン」という冊子にまとめしたが、市や市民とともにこの冊子の内容を基に議論しながら2005年に北山公園善行橋下の落差工を解消する魚道の完成に至っています。しかし、善行橋下の魚道より下流側に、あと5箇所の落差工があることから、前川合流点まで遡上している魚類(アユなど)が北山公園まで遡上できずにいます。
落差工は、川底の安定や流速の軽減、河床勾配の調整等の必要性から川底に設置される構造物ですが、この内、流速を軽減する効果は思ったほど期待できないこともわかってきています。それよりも魚類等の水生生物の往来を阻害するデメリットの方が大きいと思われ、生物多様性を保全していく上からも問題であると考えられます。川底の勾配と周辺の地形、護岸の構造等を見ながら、問題がなければ積極的に落差工を取り除く方法を検討していくことも必要であると思われます。
落差工の撤去が困難な場合には、落差工を自然の早瀬のような形状に改良し魚の往来を可能にしていく方法があります。たとえば、落差工を曲面を持つ緩やかな勾配のスロープにして表面に石を配置する方法(粗石付双斜曲面式魚道=北山公園善行橋下の事例;写真下;北出さん撮影)や、落差工を魚道が上り下りできるよう小さいステップに多段化する方法(多段式)などが有効であると言われています。
北川かっぱの会では、1月9日に実施した調査結果をまとめた上で、各落差工に適する工法の検討などを行った上で「市民プラン」としての落差工解消策についてまとめていく予定です。(1月22日)
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