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2016年2月

八国山緑地で多様な生物が生息する公園づくり

 八国山緑地では、今年度から「多様な生物が生息する都市公園づくり事業」が始まっています(東京都の事業)。この事業では、八国山の自然環境調査や市役所、市民団体等が参加する検討会を経て、八国山の保全や利用計画案を検討していますが、2月23日にその第3回検討会が開催されました。当日は第2回検討会での意見等を踏まえた保全や利用に関するゾーニング案(二つ池周辺を重点地区にして水辺の保全や萌芽更新による雑木林の保全を図り、併せて里山体験林を整備していく。その他の区域についても常緑樹の伐採や下草の管理等で雑木林の保全を図っていく樹林ゾーンと、原っぱを中心とした草地ゾーンとしていくなど)の確認を行い、

「20160223-4.PDF」をダウンロード

指標種案についての意見交換を行いました。指標種については、ヒメジオンなどの外来種や温暖化に伴う南方系の種(クロコノマチョウなど)を指標種にしていくことの是非などについて意見交換を行いました。また、保全計画については、環境を復元していくための移入種の導入(例;北山公園にいるトウキョウダルマガエルを八国山の湿地に移入するなど)についても論点となりました。

 整備計画(自然地、施設)では、自然を復元していくために二つ池(下池)の浚渫や園路排水の下池への接続、外来種放流禁止の注意看板の設置などが目を引きました。

「20160223-7.PDF」をダウンロード「20160223-8.PDF」をダウンロード

 普及啓発については、指定管理者(西武・狭山丘陵パートナーズ)と市民団体の協働などについて意見交換を行いました。

 この検討会については、これまでの3回の検討会での議論を踏まえ、年度内に八国山の保全計画や整備計画が決定される方向と思われます(なお、実際の伐採や下草狩り等の保全作業や整備等の事業は2016年度からスタート予定)。北川かっぱの会としては、当会の活動目的ともなっている「北川の清流復活と緑の保全」に極めて重大な影響のある検討会であると思われることから、今後も事業の推移について見守っていきたいと考えています(関連記事;12月6日付ブログも参照)。(2月28日)

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増える外来種・減る日本の自然

20160223_223504 2月7日(日)「増える外来種・減る日本の自然」と題した講演会(講師;国立環境研究所/生物・生態系研究センター/主席研究員 五箇公一先生:主催;西武・狭山丘陵パートナーズ)に参加しました。会場の瑞穂町郷土資料館の多目的室は定員いっぱの70名の方々が集まりました。

 五箇先生はダニ学がご専門で、テレビ出演も数多く、その話ぶりには誰もが引き込まれてしまいます。当日の講演内容はどれも興味深いものばかりでしたが、特に

・世界の環境破壊に伴い、細菌類の居場所がなくなり、人間を攻撃対象とするしかなくなってきたこと

・生物多様性を守っていく地域活動の中で、どの種を守っていくのか市民サイドから提言していくことが重要であること

・生物多様性を守っていくためには、素人が重要性を理解して生活を変えていくことが重要であること

・環境を守っていく上では政治家や学者に責任が極めて重いこと

などの話が印象的でした。狭山丘陵の生物多様性を守っていくための元気をもらったような気がします。(2月24日)

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かっぱ通信111号を発行しました

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  2月21日(日)、かっぱ通信111号の印刷、発送作業を7名で行いました。今回は、1月に開催された狭山公園宅部池のかいぼり関係の記事の他、3月19日開催予定のかっぱの会総会の記事などが掲載されています。会員の皆様には、今週、お手元に届くと思われます。「かっぱ通信111号」は東村山市内の公民館や八国山たいけんの里などでも入手することができます。

お詫び;かっぱ通信111号の6ページ「活動スケジュール」中、「春のうららかウォーキング」の開催が3月26日(日)となっていますが、正しくは3月26日(土)となります。(2月21日)

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狭山公園たっちゃん池のかいぼり後の状況

 1月17日に20160214_130456_2実施となった狭山公園宅部池(たっちゃん池)のかいぼり後の状況です(写真は2月14日撮影)。かいぼりから4週間が経過しましたが、現在、若干の排水を継続しながら天日干しを行っています。底泥が乾いて空気にさらされると、泥中の窒素やリンが水に溶けだしにくい状態となり、注水後は以前よりも水中の栄養分が少なくなって植物プランクトンの増殖が抑えられ、水が澄んだ状態になるとのことです。20160214_130754

 


 今後、2月中旬より、水草の再生実験を行い(以前、護岸近くに生えていた水草を再生させる実験)、3月上旬より、池の水を入れ始めるとのことです。再生した池の姿を見るのが楽しみです。(2月17日)20160214_131021

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4月上旬までの活動予定

4月上旬までの活動予定です。

2月20日(土)15:30~17:00 北山公園と八国山見どころマップ編集作業(八国山たいけんの里) →参加を希望される場合には、事前にメール等でお知らせください

2月21日(日)13:30~15:00頃 かっぱ通信111号印刷・発送作業(廻田公民館) →サポーター募集中。直接、廻田公民館に集合してください。

2月23日(火)15:00~17:00 八国山緑地生物多様性保全利用計画策定 第3回検討会に参加(廻田公民館)

3月 5日(土)夕方 井の頭池かいぼりの打ち上げに参加予定

3月 5日(土)11:00~17:00 第11回「川の日」ワークショップ関東大会(江戸川大学)で1月17日実施の狭山公園宅部池のかいぼりについて報告予定(2月21日加筆)

3月12日(土)9:00~11:00 定例川そうじ(北山小正門前集合)

3月12日(土)9:30~12:00頃 狭山公園「湧水の池」の生き物調査(西武・狭山丘陵パートナーズ主催) 狭山公園パークセンター集合;「たっちゃん池」の上流にある「湧水の池」の泥や落葉の中に潜む生き物(ヤゴなど)を調べます。併せてアメリカザリガニなどの外来生物の駆除も行います。今年も主催者とともに作業や観察を行います。生き物好き大集合!です。

3月12日(土)13:00~ アカミミガメ捕獲用の日光浴ワナの工作 狭山公園パークセンター集合;北山公園しょうちゃん池のアカミミガメ駆除作業で使う「日光浴ワナ」を製作します。都立公園で使用する日光浴ワナを製作する西武・狭山丘陵パートナーズとの協働作業となります。工作好き大集合!です。

3月19日(土)16:00~18:30 総会(中央公民館第一会議室;東村山駅東口徒歩2分)   →総会では2015年の活動総括と決算、2016年度の活動方針と予算などについて討議します。会員の皆様の参加をお待ちしております。

3月26日(土) 春のうららかウォーキング(西武・狭山丘陵パートナーズ主催)
当日受付;9:00-10:30狭山公園パークセンター、東大和公園→多摩湖堰堤→雑木の森→八国山緑地→北山公園→狭山公園(ゴール)の約10kmのコース(所要約3時間半;小雨決行、荒天中止);北川かっぱの会では、北川で採れた魚の展示と北山公園・北川のガイドを行います(12:50~、13:40~各30分程度) →11:00~魚とり、12:00頃~14:30頃展示、~15:00頃あとかたづけ予定 →魚とりや魚展示のガイド、一緒にやりませんか

3月26日(土)12:00~12:30頃 定例会(北山公園) →6月頃までの活動について話し合います

4月9日(土)9:00~11:00 定例川そうじ(北山小正門前集合)

皆様の参加をお待ちしております(2月14日;2月21日一部加筆)

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北山公園で生物多様性保全の検討はじまる

 2月6日(土)、北山公園整備計画等意見交換会(いわゆる「川端会議」;東村山市主催)が開催されました。市や市民団体、市民、関係団体など総勢約20名の参加者で北山公園の環境保全策を中心に意見交換を行いました。

 今回、最も目を引いたのが、北山公園の生物多様性保全の検討の方向性が示されたことです。今年度、市からの委託事業として、NPO birthにより公園内の生物調査(希少種や外来種を中心として調査中)と水環境の調査が実施されています。その調査結果(中間報告)では、北山公園内に希少種として植物で6種、動物で12種が確認されている一方、注目すべき外来種として植物8種(アマゾントチカガミやオオブタクサなど)、動物6種(ウシガエルやアライグマ、ヒメダカなど)が確認されています。また、土壌水分調査では、水田の土壌がやわらかい一方、畦や菖蒲田では固いことがわかり、カエルの冬眠場所として、現状では水田周辺のみが適している状況もわかってきました。これらの調査結果を踏まえ、H28年度に目標種(北山公園に現在生息・生育している種、あるいはかつて生息・生育していた種の中で、保全や再生が可能と考えられる種。北山公園の環境を保全していく上でシンボルとなる種)を定め、環境保全策を進めていく案が示されました。当面は目標種の設定をしていくための意見交換を行っていくことになると思われますが、鳥類や両生類、魚類、昆虫類、植物などの別に、どのような目標種が適切なのか、北川かっぱの会の中でも検討を進めたいと考えます。なお、指標種が決まれば、公園内のゾーニングの再検討、指標種を保全、再生していくための方法、菖蒲田や水田の管理方法などの検討を順次行い、実践していく方向と思われます。

 当日は、北山公園の生物多様性保全の検討の方向性に関係して、市民参加の方法についても併せて検討していきたいこと、このようなすばらしい検討内容を市民に積極的にPRしていきたいこと、検討にあたっては八国山の保全策と連携していきたいこと、先進地の見学会を実施していきたいこと、しょうちゃん池奥の保護エリアについて希少種を保護していくための環境としていきたいこと等、多くの意見が出され、かなり盛り上がりのある意見交換会となりました(2月10日)

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狭山公園たっちゃん池の「かいぼり」結果(その5;捕獲結果)

 1月17日(日)に実施された狭山公園宅部池のかいぼり時の捕獲結果がまとまりました。

PDFファイル→「EPSON009.PDF」をダウンロード

「EPSON010.PDF」をダウンロード

 概要は以下のとおりです。

・魚類は外来種や放流種で98個体を捕獲した。在来種はトウヨシノボリを捕獲したものの、5年前のかいぼりで捕獲されたモツゴやウキゴリを捕獲することはできなかった。

・在来種のテナガエビは5年前のかいぼりでも多数確認され、モクズガニも少数だが確認されていた。

・コイやゲンゴロウブナ、ギンブナについては、全長の分布から考え、5年前のかいぼりで捕獲することができなかったものがほとんどであると推定される。

・オオクチバスについては、かいぼり直前に多数の個体が泳いでいる姿を確認されているが、捕獲することができた個体は限定されている。

・ヌマガイやイシガイ等について、今回初めて捕獲した。

結果については、様々な見方ができると思われます。皆様方からのご意見などお待ちしております。(2月7日)

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2016年の活動方針骨子案

 2016年(年度)の活動方針骨子案を掲載します。今後、定例会や総会(3月19日(土)16:00~18:30市中央公民館(東村山駅近く)第一集会室で開催)の場で議論し決定していくこととしますが、皆様からのご意見、ご提案を歓迎します。

以下、概要です。

 北山公園の水環境の改善と在来生物の保護 →北山公園に生息、生育する在来生物(特に絶滅危惧種)を守っていくため、引き続き通年での水(流水と止水)確保や絶滅危惧種の保護を目指します。北山公園の水量や生物の現状については、市から委託を受けたNPO birthが現在、調査中ですが、今年はその調査結果を受けて、引き続き北山公園整備計画意見交換会(いわゆる川端会議)の中で検討していくことになると思われます。水量の確保については、北川からの取水方法や地下水の利用(浅井戸)、ため池(止水)の活用、冬水たんぼなどの方策が考えられ、またトウキョウダルマガエル等の絶滅危惧種を保護していくためには、一部の個体を隔離して種の保存を図っていくなど、一歩踏み込んだ対応策が必要とも思われます。また、在来生物にとって貴重な生息、生育の場となっており、北山公園の景観としてなくてはならない水田(民有地)を将来にわたり守っていくための仕組みづくりについて、検討を行っていく必要があると思われます。さらにウシガエルやミシシッピアカミミガメ(以下、アカミミガメ)など外来生物の駆除に引き続き取り組むとともに(後述)、「しょうちゃん池」の改良(在来生物にとって生息しやすい形状にしていく)や池奥の氾濫原の改善(湿地面積の拡大など)、さらには池のかいぼりの実施など、在来生物にとってやさしい環境づくりが行えるよう、関係者と意見交換を行っていく方向とします。

 北川や北川流域の環境の改善 →北川では、引き続き善行橋より下流の「落差工の改善策案」の検討と、外来生物の防除(後述)、川そうじ(クリーンアップ)を中心に行っていきます。また、北川最上流部、今年1月17日にかいぼりを行った狭山公園内「たっちゃん池」の再生に向けて、引き続き公園管理者等との意見交換を行っていきます。

 八国山での多様な生物が生息する公園づくり事業を注視 →八国山緑地で「多様な生物が生息する都市公園づくり事業(東京都の事業)」がはじまり、この3月には保全や利用に関する計画が策定される予定です。4月以降はこれらの計画に基づく伐採や下草狩り等の雑木林の保全作業や施設の整備が始まる予定ですが、北川かっぱの会としては、これらの実施状況を注視していく方向とします。

 外来生物の防除 →引き続き、北山公園「しょうちゃん池」を中心とした区域や北川でのアカミミガメ、ウシガエルなどの防除を重点的に行っていきます。アカミミガメの防除については日光浴ワナを使用した方法に重点を置き、ウシガエルの防除についてはオタマジャクシの駆除や関連するイベントの開催、外来生物ポストの設置などについて重点的に取り組んでいく方向とします。また、北山公園「しょうちゃん池」のかいぼりについても協議していく方向とします。なお、オオフサモの駆除については、効果的な実施体制について検討していきます。

 多摩湖堰堤にシバザクラを植えようとしている問題 →主に観光振興の観点から多摩湖堰堤にシバザクラを植えようとする動きがありますが、希少種(ミノボロスゲやスズサイコ)の保護や、堤体にダメージを与える可能性があるなどの視点から問題であることをアピールしていきます。

 継続的な環境調査の実施 →地域の環境の現状を的確に把握していくため、魚類調査や水質調査、ゴミ調査などに継続的に取り組んでいくとともに、引き続き、アカミミガメやウシガエルなどの防除活動に併せ、北山公園や北川での外来生物調査にも取り組んでいきます。

 北山わんぱく夏まつりの開催と環境学習の支援を継続 →昨年の第20回北山わんぱく夏まつりでは、クレーマー対応やスタッフ不足などの問題点が残りました。今年は、次世代にわたり継続して開催していけるよう、実施体制の大幅な見直しと実行委員会の早期の立上げを図っていきます。環境学習の支援では、3月発行予定の「北川・八国山・北山公園いきものマップ」を活用していくとともに、サポーターの拡大を図っていきます。また、ウシガエルやアカミミガメ、オオクチバス、オオフサモなど外来生物に関係する学習プログラムを継続して実践していきます。

 市役所や関係団体との連携を重視 →北山公園や北川、八国山緑地の環境改善等のために、引き続き市役所等との連携を重視していきます。北山公園整備計画等意見交換会(いわゆる川端会議)への参加にとどまらず、北山わんぱく夏まつりや北川クリーンアップ、外来種の駆除などのイベントの機会を通じて連携を図っていきます。また、様々な課題の解決を目指し、引き続き西武・狭山丘陵パートナーズや八国山たいけんの里自然部会、生態工房、東村山の原風景を守る会、空堀川に清流を取り戻す会、柳瀬川水系水環境連絡会などとの連携を継続していきます。

 地域住民への情報発信の強化 →引き続きホームページやブログ、かっぱ通信、北山公園「水と緑の掲示板」などにより情報発信を行っていきますが、ホームページやブログ等の内容の見直しを行うなど、より訴求力を高めた内容としていきます。

 活動の底辺の拡大 →北山わんぱく夏まつりや川そうじ(クリーンアップ)の実施、外来生物の防除、水と緑の掲示板の編集など、ボランティア募集を拡大、強化していきます。様々な方々に参加していただけるよう、できるだけ多くのイベントを開催し、積極的な声掛けなどにより、間口の広い受入体制を整えていきます

 (2月2日)

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