オオクチバスの駆除と掻い掘りの必要性
11月7日(日)に掻い掘り(魚類調査、池の清掃)を予定していますが、なぜ掻い掘りを行なう必要があるのか、以下にまとめてみました。
まず、オオクチバス等の特定外来種をなぜ駆除していく必要があるのでしょうか。
北川や北山公園では、2005年以降、多数のオオクチバスが確認されましたが、その原因は、狭山公園「たっちゃん池」で大繁殖していたオオクチバスであることがわかりました。昨年の8月と11月に実施した2回の「たっちゃん池」魚類調査や同池の流出口でのトラップによる捕獲状況から、「たっちゃん池」ではオオクチバスが大繁殖していることが判明しています。オオクチバスは、モツゴやギンブナ、トウヨシノボリ、オイカワといった在来種を食い尽くします。「たっちゃん池」では、オオクチバスがこれらの在来種を食い尽くしつつあり、死の池になりつつあります。
よく言われる意見として、「オオクチバス等の特定外来生物を無理に排除しなくても、いずれ共存する」とか、「しょせん人間には、水の中の生態系なんか管理できない」といったものがあります。しかし、北米原産の外来魚と在来種が平和的に共存することは、ありえません。在来種を極限まで減らして、生き続けている例はあります(現在の「たっちゃん池」がほぼこれに該当すると思われる)。が、魚類研究者の方々が強調するのは、「その過程で取り返しのつかない生態系の破壊が起きる可能性が高い」ということです。環境に対して壊滅的な影響をもたらす可能性のある魚を放置して、さらなる環境破壊が起きる可能性を黙視してはいけない、と考えます。
オオクチバスなどのブラックバス類とブルーギルなどの外来魚は、外来生物法で輸入や飼育ばかりか、持ち運びにも規制のかかる「特定外来生物」に指定されています。池で捕獲し、生体を手に道路を一本渡っただけで、外来生物法違反に当たります。それは、日本が国として「ブラックバス類やブルーギルを減らしていこう」という方向性を決定したことを意味しています。
さて、次は「掻い掘り(池干し)」という方法を選択する理由です。外来魚を減らしていく方法にはいくつかあります。網類(地びき網、さし網など)で捕獲する、人工産卵床で捕獲する、池干しする、電気ショッカーで捕獲する、餌釣りするなど、様々な方法がありますが、この中で最も効果的なのが「池干し」であると言われています。「池干し」が可能な池や湖であるのならば、まず池干しを検討していくのが基本です。東京都内でも都立光が丘公園内のバードサンクチュアリでは「池干し」3回の実績があると聞いております。
今回の「掻い掘り(池干し)」を実施していくにあたっては、この3月に、光が丘公園の実例についてお話をお伺いしたり、北山公園「しょうちゃん池」での掻い掘りを実践する機会をもつことができました。今後、さらに綿密な計画について情報共有化することにより、確実、かつ安全で効果的な「掻い掘り(池干し)」を実施していくことが可能と考えています。本日、たっちゃん池の水位は満水時から1m程度下がったものとなっております。11月7日当日まで、いよいよ秒読みの段階となってきております。(10月24日)
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コメント
自分としては池干しよりも、バス釣り大会を開催したほうが有効だと思います。
メリット
楽しんで駆除ができる
小さいバスも駆除できる
デメリット
すべての駆除は難しい
きっとお金を払ってでも参加する人がいるはずです。バスが減らせて、今後のバス駆除の経費を集められると考えると、やってみる価値はあると思います。
投稿: | 2010年10月25日 (月) 22時20分